京都四條南座耐震改修計画
【京都四條南座】

京都府京都市東山区

本建物が立地する鴨川沿いおよび八坂神社門前町地区は、京都の街並みを象徴する地区であり、京都市の都市計画において景観地区(岸辺型美観地区、旧市街地型美観地区)に指定されています。本建物は、歌舞伎発祥の地にて元和年間以来400年の歴史と伝統を受け継ぐ劇場として、地域のシンボル的な役割を果たし景観形成に寄与してきたものであり、国の登録有形文化財(建造物)の登録および京都市の歴史的意匠建造物の指定を受けています。

本事業は、築88年が経過した本建物について、耐震性の向上を主体とした改修工事および設備更新を行うもので、これにより、日本の重要な伝統芸能である歌舞伎を継承する文化財と地域の景観を維持すると共に、最寄り駅である京阪電鉄「祇園四条」駅との連絡通路等の改修により都市機能の維持、増進を図ることで、都市利便の向上に資する事業です。

京都四條南座耐震改修計画【京都四條南座】
事業地 京都府京都市東山区四条通大和大路西入中之町
公共施設等の概要 道路(歩道状空地)、地下鉄連絡通路
支援の形態 共同型都市再構築業務
共同事業者 松竹株式会社
事業施工期間 平成29年5月1日(着工)〜令和2年1月(竣工)
※準備工事は、平成28年11月1日着手
支援年月日 平成30年3月28日
支援金額 35億円

【主な受賞歴】
 登録有形文化財(1996年)[文化庁]

Voice ーお客様の声ー

松竹株式会社

 歌舞伎発祥の地である京都四条河原に建つ南座は四百年の歴史と伝統を受け継ぐ日本最古の劇場です。現在の建物は昭和四年の建築で国の登録有形文化財であり、京都市の歴史的意匠建造物にも指定されている近代の名建築ですが、耐震診断を実施した結果、基準値に満たない部分があることから、耐震補強を中心とした大規模改修工事を進めることになりました。
 計画に際しては、耐震性能の向上による安全性確保に加え、昭和初期に建築された建物の文化財としての価値や劇場の持つ魅力の保存継承、そして、設備更新による機能向上を図ることで、歌舞伎を始めとする伝統的公演はもとより、最新の技術や演出による新たなコンテンツも上演可能な劇場とすることをコンセプトとしました。また、京都の歴史的景観の維持や直結している祇園四条駅との連絡通路の改修など、地域貢献にも寄与する改修計画を目指すこととしました。
 設計を進めるとともに、今回の大規模な改修工事には、準備工事も含めて約2年間の工期を要するとともに、大きな設備投資も必要となることがわかりましたが、描いたコンセプトを実現するため、MINTO 機構による事業計画の支援を受けることにしました。
 そして、難しい工事ではありましたが無事に竣工を迎え、新たな南座が新開場する運びとなりました。
 生まれ変わったこの劇場が持つ唯一無二の魅力を生かし、歌舞伎を中心とする伝統的な舞台芸術から新しいライブエンタテインメントまで幅広く国内外に発信する文化拠点となることを目指してまいります。

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